開咬
開咬とは、前歯がかみ合っていない状態です。歯並びがデコボコしているわけでもなく、前歯が前方に出ているわけでもありませんので、ご自身では不正咬合である認識がない場合も少なくありません。しかし、開咬を放置すると、将来弊害が起きる可能性が非常に高いです。
開咬について
開咬は以下の写真のように前歯がかみ合っていない状態のことをいいます。学術的に、OPEN BITE(オープンバイト)と呼んだりもします。
正常咬合であれば、上の前歯が下の前歯に少し覆い被さります。開咬は、上下の前歯の位置関係が遠いので、前歯で物を噛みきれなかったり、発音が悪くなったりします。
開咬になる原因・理由
先天的な原因による開咬
歯並びは遺伝しませんが、骨格が遺伝します。下の顎(あご)が大きいと開咬の原因となります。お父さんお母さんが下顎が大きい場合、遺伝的なものが原因で開咬になっている可能性が高いです。
後天的な原因による開咬
舌で前歯を触る、または押す癖があると開咬になります。少しの力でも継続的にかかり続けると歯は動きます。このような癖を悪習癖(あくしゅうへき)と呼びます。
特にお子さんの場合、指しゃぶりが原因で開咬になることがあります。前歯に親指を押し当てている状態が続くことで、その状態をキープするように歯並びが変化します。
開咬を放置することで起きる弊害
開咬の場合、前歯で食べ物を噛みきることができません。結果、奥歯でものを噛むようになります。奥歯のみで咀嚼しつづけると、奥歯に必要以上の負担になり、奥歯を失くことにつながります。
開咬のように、前歯に隙間があると、空気が抜けてしまいます。つまり、発音が悪くなります。
開咬の方の8020達成者が0人という研究結果があります。開咬の方は、80歳になったときに、20本の歯が残っていない人が100%という研究結果です。ご自身の歯を残すことはクオリティーオブライフにおいて大変重要です。開咬の方は、早めに、矯正専門医の受診をお勧めいたします。