矯正治療が保険適応外の自費診療だというのはご存知の方が多いかもしれません。しかし、治療開始前のカウンセリングにも保険は適用されないのでしょうか。また、持参した方がいいものはあるのでしょうか、今回は「カウンセリング時に必要なもの」について詳しく見ていきましょう。
1. カウンセリングでは何をするの?
カウンセリングの内容は、歯科医院によって違いますがメインは相談です。患者さんが、「自分が今何を気にしているのか、どこを治したいのか」など、悩んでいることを相談します。それに対し、今の段階でわかる範囲で歯科医師が答えくれます。ただし、この段階では肉眼で見える範囲での判断になりますので、歯科医師も100%正確に治療内容について答えることはできません。治療計画や治療方法に関しては、次の段階の精密検査・診断に進んだ際に、よりはっきりと明確に答えることができます。歯科医院によってはカウンセリングの段階で写真撮影をしたり、レントゲン撮影を行うところもあるようですが、基本的には“カウンセリング”で行うことは相談です。
2. カウンセリングは保険適応?
矯正治療は基本的に自費診療です。では、治療前のカウンセリングは保険適応なのか適応外なのか?
矯正治療は見た目をきれいにする目的で行われる場合が多いため、国民健康保険などの公的医療保険が適用されません。そのため、矯正治療における初回カウンセリング料をはじめ、検査・診断料、装置料、定期的な調整にかかる費用はすべて自己負担になります。
カウンセリング料の相場は保険適応外で3000〜5000円程度ですが、中にはカウンセリングのみ無料で行ってくれる歯科医院も多数あります。矯正治療へのハードルを下げるためにも、無料で行ってくれると相談に行きやすいですよね。ただし、2回目以降のカウンセリングは費用がかかってくる場合がありますので注意しましょう。
3. カウンセリング時に必要なもの
3-1. 健康保険証
疑問に感じる方が多いのが、「カウンセリングの時に健康保険証は必要ですか?」という内容です。これに関しては、“歯科医院によってさまざま”です。矯正治療以外にも保険診療も行なっているクリニックであれば、矯正のカウンセリングのみでかかる場合も受付時に保険証の提示を求められる場合があります。また、身分確認として健康保険証や運転免許証の提示を求める場合もあります。
無料でカウンセリングを行っている歯科医院でも、健康保険が適応される顎矯正手術に関するカウンセリングは有料(健康保険制度に基づいた費用)となる場合があります。その際にも、保険証の提示が必要となりますので必ず持参するようにしましょう。矯正治療は自己負担ではありますが、場合によっては保険が適応されたり確認として健康保険証の提示を求められることがありますので、保険適応関係なく持参することをおすすめします。
3-2. 他院からの紹介状
かかりつけの歯医者から、矯正治療を勧められてカウセンリングを受診する場合があります。その場合はかかりつけの歯医者で紹介状を記入していただくと思いますので、カウンセリングにかかる際には紹介状も忘れないように持参しましょう。
4. 自費診療なのに保険証が必要なのはなぜ?
歯科医院によっては保険診療をまったく行わないにもかかわらず、健康保険証の提示を求める場合があります。保険診療をしないのに「なぜ健康保険証を出さないといけないんだろう?」と疑問に思う患者さんも多いようです。この場合、患者さんの“身分確認のため”に保険証の提示を求めていることが多いです。本来であれば、矯正治療は自費治療の為、保険証の確認をする必要はありません。もしも保険診療をしていないのに保険証の提示を求められ、疑問に思うようでしたら一度確認してみるといいかもしれません。
5. なぜ矯正治療は保険適用外なの?
健康保険の対象になる治療は「病気や緊急性の高い治療」であり、財源が限られている国の医療保険はそれらに優先的に使用されます。見た目を良くするために行われる美容医療や、将来的な疾患を防ぐ予防医療には健康保険は適応されません。矯正治療は多くの方が「見た目を改善する目的」で行うため、同じように保険が適用されないのです。ただし、中には保険適応になる歯並びの症例もあります。
厚生労働省が定めている
- 生まれながらにしてお口の中に異常が見られる先天異常
- 顎の骨の大きさ、位置、形が著しく異常で噛み合わせに問題が生じ得る顎変形症
- 前歯が3歯以上の永久歯萌出不全の場合に起きる咬合異常 (埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)
などには保険が適用されます。矯正歯科治療は高額な費用がかかる矯正治療ですので、カウンセリングの際に自分の歯は保険適応になるのか確認されると良いでしょう。