インビザラインのやり直し再治療
マウスピース型の矯正装置であるインビザラインは、透明な薄いマウスピースを使って歯並びをきれいに並べます。従来型装置による矯正は、治療中の見た目(金属の装置を歯の表面に付けるのが恥ずかしいなど)が嫌で矯正治療は断念する方が多くいらっしゃいました。
しかし、インビザラインの登場により、これであれば矯正治療をやってみたい!という方が急増し、現在、インビザラインは人気の矯正治療法です。
そして、新型コロナウイルス影響で、Zoomなどのオンライン会議が増えました。自分の顔をアップで見る機会が増えたことをきっかけに自分の歯並びについて改めて気にする方が増えており、インビザラインによる矯正治療をする方が急増しています。
人気がある一方で、トラブルになることも多いインビザライン。インターネットで検索すると「インビザライン 後悔」や「インビザライン 治らない」という検索ワードが急上昇キーワードになっていたりします。
こちらのブログによる統計で、いかにインビザラインによるトラブルが急増しているのが分かります。
ただし、勘違いしてはならないのは、インビザラインが危険!ということでは決してありません。インビザライン自体には何も問題はなく、インビザラインを扱う側(歯科医院側)に原因がある場合が多いようです。
急増するインビザライン、後を追うように増えてきているインビザラインの失敗、そして、インビザラインのやり直し再治療。
インビザライン治療を受け、もし失敗に終わってしまった方はどうしたらよいのでしょうか。今回の記事では、もしもの時の解決策(インビザラインのリカバリー、やり直し再治療)をご紹介していきたいと思います。
インビザラインをやり直しする人が増えている原因
インビザラインには、従来型の矯正治療と比べると歯の動かし方が限定的です。
矯正治療を進める上で、このような歯の動きをさせることができないと、きれいに歯を並べるのが難しくなります。結果として、デコボコはそこそこきれいになったけど、歯並び全体で見たときにおかしなことになっているなんてこともあります。つまり、矯正治療としては完成度が低くなることがあります。
気を付けていただきたいのは、「マウスピース矯正(インビザライン)は、ワイヤー矯正とほとんど変わりません。」という広告的なキャッチコピーをインターネット上で目にすることがありますが、これらは慎重に考慮する必要があります。
インビザラインは、術者(歯科医師の技量や、または、その治療計画)により、結果が大きく左右します。経験の少ない歯科医師による、無理のある治療計画によって進められたインビザライン矯正によって、望まない治療結果を得てしまうことなった。という方が出てきています。
結果として、再度の矯正治療のやり直し(リカバリー矯正治療)を他医院で受けるという方が増えつつあります。
インビザラインをやり直しする人のパターン
治療期間が長すぎる「いつになっても治療が終わらない!」
治療前に、治療期間は約2~3年と言われたのに、4年経ってもまだ治療が終わらないことがあります。最初の半年は順調に歯並びが動いていき、どんどんきれいになっていったのに…。
実は、これはインビザラインに限らず、その他の装置による矯正治療も含めた全体について言えることなのですが、治療を開始した直後の半年間は歯並びがすごく変わります。どんどん歯並びが変わっていくので楽しく感じるでしょう。
治療が終わりに向かう6~12か月は微調整に費やされます。中には、歯が動いているのか動いていないか分からない程度の方もいます。ダイナミックに歯を動かす治療開始後の半年に比べて、治療の最後の部分の半年は歯の動きも少ないのです。
- 歯の動きが少ない=治療が簡単
- 歯の動きが大きい=治療が難しい
と思いがちですが、実際は、(矯正治療の最後の)歯の動きが少ない=治療が難しいのです。
そして、この最後の仕上げに苦労して、一向に治療が終わらないということがあります。
治療後の歯並び「こんな歯並びになる予定じゃなかった!」
「以前よりは、歯並びがきれいになったけど、他の矯正治療をした人の写真を見るともっときれいに治っている。」と治療が終わった後に気付く方が多いようです。
治療後の仕上げが難しいと前項でも述べましたが、インビザラインは、“治療の仕上がり”が悪くなる傾向にあり、そのような患者さんからの不満・クレームが近年増えてきているのが現状です。
※ インビザラインという製品自体に問題があるのではなく、インビザラインを扱う歯科医師や、その治療計画に問題があります。
おすすめのやり直し方法とは?
インビザライン矯正をしてみたが、治療結果に納得できないという場合は、日本矯正歯科学会認定医によるワイヤー矯正をおすすめします。
理由は、
- ワイヤー矯正は歯の動かし方が万能であり、インビザラインでは可能でなかった動きもできる可能性が高い。
- そもそも矯正治療の経験が浅いドクターの場合、リカバリープラン(やり直しプラン)を作ることができない。
などです。
インビザラインのやり直しにかかる費用
再治療を検討している多くの方が勘違いしているのが、「私は、矯正治療経験者だから(矯正治療をある程度進めたから)、まったく矯正治療をしたことがない人に比べて、いくらかの割引料金で“やり直し”ができるはず。」と思っていることです。
矯正治療のやり直しをする場合(またはインビザラインのやり直しをする場合)、費用を割引してくれる歯科医院は、ほぼ無いと言って過言でありません。通常の正規料金での治療費を支払わなければなりません。