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抜歯矯正で歯は何ミリ下がる?口元の変化は?
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2022.04.21

抜歯矯正で歯は何ミリ下がる?口元の変化は?

矯正というと歯を抜く抜歯をイメージされる方も多いですよね。大部分が“歯が並ぶスペースがない”から“抜歯をすることによってスペースを確保する”という答えが多いようです。中には口元が前に出ている事を気にされている方が、抜歯をする事で抜歯をしたスペース分口元が引っ込むと思っている方もいるようです。では、抜歯をする事で口元は本当に下がるのでしょうか?また、下がるとしたら何ミリくらい下がるのでしょうか?

矯正で抜歯をする理由とは?

そもそも矯正で抜歯をする本当の理由をご存知ですか?最初に述べたように、大部分の方が“歯が並ぶスペースがない”から“抜歯をすることによってスペースを確保する”ために抜歯をすると思っているようです。しかし、ガタガタの歯を綺麗に並べるために、実は歯は抜かなくても綺麗に並べる事は可能です。え?と思う方もいると思いますが、どのように並べるのかというと、歯をまっすぐではなくやや前に傾けるようにすれば見た目上綺麗に並べる事はできるのです。

では横顔で考えてみた時はどうでしょうか。やや前に傾けているので歯は若干出っ歯になります。自分が気にしていたガタガタは治ったのに、歯を抜かないことによって歯並びの綺麗な出っ歯の人になってしまうのです。その治療結果を望む人はほとんどいないので、歯医者の判断で抜歯をする事になるパターンが多いのです。

抜歯をしない事は良いことなの?

矯正のカウンセリング時の質問で多いのが“抜歯は必要ですか?”という質問です。歯医者側からすると、患者さんが抜歯を望まなければ抜歯をしなくても矯正はできることもあるので、“抜歯しなくてもできますよ”と言うはずです。

しかし、先ほど述べたように抜歯をしないで並べる事によってどのような治療結果になるのか、まで説明してくれる歯医者は少ないです。矯正の治療結果は何年も過ぎてから、やっと目に見えてくるものです。だんだんと出っ歯になりながら綺麗になっていく歯並びを見て“こんなの聞いてない”、“だってあなたが抜歯を望まなかったじゃない”とならないよう、治療前のカウンセリング時に抜歯する場合としない場合の治療結果を説明してもらう事が大切です。

歯並びと口元は比例しない?

口元が前に出ていると感じている人は、

  • 歯だけが前に出ている場合
  • 上顎の骨自体が前に出ている場合

があります。

外側の顔だけで見たときは、どちらも口元が出ていると感じるかもしれないですが骨で考えた時には全く構造が違います。よく“口元が出ているから矯正で歯を引っ込めたい”と言う方がいらっしゃいますが、果たして本当に歯は出ているのでしょうか?上顎自体が前に出ている場合だったとするといくら矯正治療をして歯を引っ込めたとしても顎の位置は前にあるままなので口元の形はほとんど変わらないかもしれません。それも何年も矯正治療をした最後の方に結果として見えてくるのです。上顎自体が前に出ている人が口元を引っ込めたいとなった場合は外科的な治療も伴ってくるので担当する分野も変わって来ます。

抜歯矯正で歯は何ミリ下がるのか?

では、歯自体が前に出ている場合に抜歯をする事で歯列は何ミリぐらい下がるのでしょうか。一般的に抜歯矯正で抜くとされる歯は第一小臼歯という真ん中から数えて左右4番目の歯です。第一小臼歯の大きさは大体6〜7.5mmくらいです。その歯の1本分を後ろに下げる事は可能ですが、人によって歯並びも違うので下がる量は人それぞれです。ここで注意してほしいのが抜歯をして大きく隙間を作り歯並びを下げたとして、それに比例して口元も大きく下がるわけではありません。歯の上には唇や粘膜があり、その厚みも関係してくるので歯が下がる量に比例して口元も同じように下がるわけではないのです。顔のバランスや噛み合わせ等を見ながらどれくらい下げるのかは治療を進めながら歯医者が患者さんと相談しつつ進めていきます。

また、抜歯せずに歯の横を削る事(ストリッピング)で隙間を作り下げていく方法もあります。ストリッピングとは歯の横側をそれぞれ片面0.25mm以内、両面で合計1本当たり0.5mm以内で削ることで隙間を作っていく方法です。抜歯と違い1本あたり最大0.5mmほんのわずかなスペースなので塵も積もれば山となる方式で徐々に隙間を作っていきます。

最後に

抜歯矯正をするためには、なぜ抜歯が必要なのかという目的があり、どのような治療結果を望むかという目標も必要です。ただ単に歯医者に“抜いた方が綺麗に治る”と言われたから抜歯を選択した、“自分が抜きたくなかったから”抜歯は選択しなかったという判断ではなく、こういう治療結果のためにこの方法を選択したんだと自分自身が納得できる方法を選びましょう。

抜歯も非抜歯もどちらにもメリットデメリットはあります。どちらの方法を選ぶ事が自分に得なのかを考え、何かを妥協しなければ納得のいく結果を求めるのは難しいです。歯は一度抜いてしまうと元には戻らないので、必ず後悔しない選択をしましょう。

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