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歯科矯正中に歯茎が痒い原因は?対処法など
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2022.05.16

歯科矯正中に歯茎が痒い原因は?対処法など

歯科矯正をしていて、歯茎がむずむずと痒くなった事はありませんか?むず痒さは耐えられないものではありませんが、症状が続くと不快感に繋がります。また、何か悪い問題があるのではないかと不安になるかもしれません。果たして、矯正中に歯茎が痒くなる原因は何なのでしょうか?実は何か大きな問題があるのでしょうか?

1. 歯茎の痒みの原因

矯正治療では、「歯が動き始める時」に歯茎がむず痒く感じる場合が多いです。その後、痒みがおさまると次は痛みに変わります。歯と歯が触れるだけで痛い、咬むと痛いといった症状が出てきます。しかし、歯の動きに関係なく歯茎が痒いと感じる時は他の原因も考えられます。

1-1. 歯周病

歯茎全体がむず痒い時は、歯肉炎により歯茎が炎症を起こしている可能性があります。歯肉炎は歯と歯茎の隙間から侵入した細菌を排除しようとする体の防御反応により、血管が拡張する事で歯茎が腫れる症状の事をいいます。歯肉炎の症状の特徴の一つとして、「痒み」もありますのでそれが原因の可能性もあります。

歯肉炎の状態が進行すると、次に歯周炎になります。歯周炎になると、歯茎だけに治まっていた炎症が、歯を支える骨や組織にまで広がっていきます。歯周炎が悪化すると歯がグラグラしてくるのですが、このグラグラを「痒い」と感じる場合もあります。

1-2. 虫歯

初期の虫歯は、まだ神経から遠いので痛みも痒みも感じる事はありません。しかし、虫歯が進行し神経まで近づいてくると痛みの他に、「痒み」を感じる場合があるようです。大きく神経まで進行してしまった虫歯は、非常に強い痛みを伴い夜も眠れないほど強い症状が出る事があります。ここまで進行してしまうと、神経を取る治療をしなければなりませんので、もし痒いかも?と感じるようであれば早めに歯医者で診てもらうようにしましょう。
特に矯正治療中は歯磨きがしにくくなるので、虫歯のリスクが上がります。矯正治療中に虫歯を進行させないよう、日々のブラッシングが非常に重要です。

1-3. 親知らず

親知らずは一番奥に生える3番目の大臼歯です。親知らずの生えるスペースがないと、半分だけ埋まったまま生えてきたり、横を向いた状態、斜めの状態で生えてきてしまう場合があります。そうすると、親知らずと前の歯の隙間に汚れが溜まりやすくなり歯肉炎を引き起こします。その歯肉炎により「痒い」と感じる場合があります。

1-4. 金属アレルギー

矯正装置には金属が使われています。金属アレルギーをお持ちの方は、装置の金属に反応し歯茎の痒みの症状が出る場合があります。ただ、アレルギー反応が装置の金属が原因なのか確かでない場合、どの金属がアレルギー反応を引き起こしているかを病院で検査する必要があります。もしも装置の金属に反応している場合は装置を外し、金属を使用しないインビザライン矯正などに変える事をおすすめします。

2. 歯茎が痒い時の対処法

歯茎が痒い原因はさまざまですので、その原因に合った対処法が必要です。特に虫歯や歯周病は、治療する事で痒みの症状を改善させる事ができます。虫歯も歯周病も磨き残しによる細菌が引き起こす病気ですので、治療するだけでなく日々のブラッシングケアが非常に重要です。日頃からブラッシングや食生活を見直し予防する事で、虫歯も歯周病も防ぐ事が可能です。

親知らずが原因による痒みは、虫歯や歯周病が引き起こしているのかによりますが、親知らずの周囲はどうしても歯ブラシが届きにくいので症状が繰り返し出てしまう可能性があります。その場合は「抜歯」という選択肢もあるかもしれません。

3. 矯正治療中に注意すべき歯茎の痒み

歯根吸収

矯正治療中のリスクとして、「歯根吸収」があります。歯根吸収は、文字通り歯の根っこが吸収され短くなってしまう事をいいます。歯根吸収は、歯科矯正を行う患者さん全てに起こりうる現象です。ただし、歯根吸収を全く起こすことなく治療を終える場合や、根の先が少し丸くなる程度の軽度の場合もあります。最悪の場合は、根っこの先が1/3以上吸収し短くなる事で、歯がグラグラしてしまう事があります。歯根吸収の特徴として、症状が一ヶ所に限局している事が挙げられます。その症状が痛みなのか痒みなのかは人それぞれですが、もしもしばらく一ヶ所だけに症状がある場合は歯根吸収が起きているサインかもしれません。

4. まとめ

これまで紹介したように、歯茎の痒みは何らかのサインの可能性があります。矯正中は歯が動く事で痒みを感じる事が多いですが、もしも痒みが数日でおさまらない場合はどこかで問題が起きているかもしれません。痒みが続く場合は我慢せずに、すぐに歯医者で診てもらうようにしましょう。

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