矯正治療について
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矯正の診断は何をするの?
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2022.06.21

矯正の診断は何をするの?

矯正治療を始める場合、まずはカウンセリングが必要になります。矯正治療では、歯科医師と患者さんの思っていることをお互いに共有することが非常に大事です。そして、歯科医師による治療前の診断もかなり重要になります。今回は、その「診断」について詳しく見ていこうと思います。

1. 治療の流れ

矯正治療を始める際は、主に

  1. カウンセリング
  2. 精密検査
  3. 診断
  4. 矯正治療開始
  5. 保定

の流れとなります。

カウンセリングに行った時にそのまま精密検査を行う場合も多いですが、精密検査から診断までは少し期間が必要になります。歯科医師が精密検査の結果をもとに綿密な治療計画を考える必要がありますので、だいたい2〜3週間ほど期間を空ける場合が多いです。患者さんはその診断結果をもとに治療を開始するのかどうか検討し、開始するのであれば契約を交わした後、治療開始となります。

2. 診断では何をする?

診断ではさまざまな話し合いが行われます。

診断

精密検査の結果説明

検査時に撮影した口腔内写真、レントゲン写真、歯科模型などを一緒に確認しながら患者さんの歯並びや顎関節などの状態を報告します。患者さんは自分では見えなかった奥歯の噛み合わせや、骨格などを模型やレントゲンを通し直接見ることで、気づけなかった部分を新たに知ることができます。

治療計画の説明

治療結果をもとに、治療計画を提案します。ここでは、抜歯部位や矯正用アンカースクリューの使用の有無、おおよその治療期間、明確な治療費などを知ることができます。治療方法が何通りかある場合は、それぞれのメリット・デメリットを説明し、患者さんが最終的に選択します。

副作用やリスクの説明

矯正治療は誰にでも副作用が起こり得ますし、さまざまなリスクも伴います。患者さんには事前にその副作用やリスクの説明を十分に行い、患者さんもそれを踏まえた上で最終的に契約をします。事前に副作用やリスクの説明を行わないと、後々トラブルになりかねないので歯科医師も十分に説明し、お互いに共有しておくことが重要です。

契約

患者さんが治療方法も選択し、理解が得られたら契約となります。契約内容には、万が一治療を中断する際の返金方法についてや、その他の重要な記載がありますので契約書は念入りに確認するようにしましょう。

支払い方法についての確認

矯正治療は高額になるので、分割払いも選択できます。分割の場合はどのように支払うのか、ここで説明を受けます。

今後の流れの確認

診断の後はいよいよ矯正治療が開始になる訳ですが、歯科医院によっては装置をつける前に唾液検査を行い虫歯のリスクを確認したり、歯磨き練習や歯のクリーニングを行う場合があります。患者さんによっては少しでも早く装置をつけたいと思いますが、矯正中に虫歯になるのを防ぐためにも事前の検査や歯磨き指導なども非常に重要でなります。

3. 診断の重要性

矯正治療における精密検査と診断は、かなり重要な過程です。精密検査と診断によって、治療の7〜8割が決まると言われています。綿密な治療計画を立てるために精密検査を行い、患者さんに最も最適な治療方法を提案できるよう努めます。患者さんが何を気にしていてどのような治療結果を望んでいるのか、今の歯並びの原因は何なのかを把握し、精密検査の結果をもとに治療計画を練っていきます。

患者さんの意見や希望を聞くことも重要ですが、症状の原因が何かを治療前の精密検査から読み取ることが非常に重要です。そのため、治療計画は1通りとは限りません。患者さんの希望に最も合わせたパターンや、原因などを踏まえて歯医者から提案されるパターンもあります。治療計画を何通りも提示することによって、それぞれのメリット・デメリットや費用の差、治療法なども比較し選択することができます。

4. 診断に重点を置く歯科医院で治療を

診断がうまくできないと、治療結果にも影響が出てきます。そのため、いかに診断に重点を置いている歯科医院なのかを見極める事が大切です。例えば、精密検査後に診断がすぐ行われたり、診断への所要時間が短かったりすると十分な説明をしてもらえない可能性があります。長いところでは診断に1時間30分以上も所要する歯科医院もあります。診断では患者さんが自分の歯について理解し、納得することが大切です。患者さんが理解するまで十分に説明してくれたり、わからない部分は何度も教えてくれる歯科医院だと良いですが、ここは合わないかも?と思っても既に精密検査・診断合わせた費用を払ってしまっているので、なかなかそこで歯科医院を変えるのは難しいかもしれません。しかし、これからかかる高額な治療費のことを考えるとこの時点で合わないと思ったら他の医院での治療を検討されるのも1つです。歯並びは一生ものなので、何か不安を抱いたまま治療を始めるよりは自分が信頼のおける歯科医院で治療をお願いできるのがベストです。最初に矯正歯科を探している段階で、診断を重要視している歯医者を見つけるのも良いかもしれません。

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