質の高い矯正治療とは?
矯正治療に関してインターネットで調べていると、“質の高い矯正治療を提供します”と謳っている歯科医院が多いです。しかし、その“質”について具体的に紹介しているホームページはほとんどありません。これでは、質が高いとは、いったいどのようなことを指すのか分かりません。代表的なものを例に分かりやすくご説明いたします。
I級関係(いっきゅうかんけい)
図の色が違う歯は、前から6番目の上下の歯です。上の歯が下の歯よりも、少し後ろの位置にあります。これが正常咬合です。
上の歯の“近心咬頭”と下の歯の“溝”が咬み合っていて、物が噛みきれる状態です。
反対に、以下のような状態は不正咬合です。奥歯のかみ合わせが悪く、物が噛みきれない等の不具合が生じます。
オーバージェット
下図は横から見た歯並びです。オーバージェットと呼ばれる部分があり、2㎜程度が適切です。
上顎前突(出っ歯)の方は、上の前歯が前に出ているので、6㎜以上の方もいらっしゃいます。逆に、上と下の位置関係がぴったりである0㎜という方もいらっしゃいます。0㎜ですと、上下の前歯の先端がぶつかってしまい、歯がかける原因にもなりますし、舌を噛んでしまったりしてしまいます。
オーバーバイト
上下の前歯の被さり度合いをオーバーバイトといい、約2㎜の位置関係が適切です。この位置関係が適切でないと、前歯を使う食事(麺類など)において噛みきれないなどの弊害が起きます。
正中
人間ですので、体の左右が完全に対称ということが難しいですが、左右が対象だと見た目に美しく映ります。上の歯列と下の歯列の正中が一致しているときれない歯並びになります。
質の高くない(低い)矯正治療による弊害は?
デコボコが改善していても…、上記4点を獲得できていないことは珍しくありません。かみ合わせを考慮されていない矯正治療は、日常生活に不具合をもたらします。また、治療後に後戻りすることもあります。
矯正歯科医院選びの際は症例写真をチェックすることが大切
前項で述べた通り、一見、素人目には歯並びがキレイだなと思う歯並びでも、実は問題が潜んでいることがあります。矯正歯科医院選びの際は、歯科医院のホームページやカウンセリングで症例写真を確認することが大切です。