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小児矯正(第1期)でやめる場合の注意事項と第2期への移行のメリット
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2022.04.26

小児矯正(第1期)でやめる場合の注意事項と第2期への移行のメリット

可愛いわが子の歯並びや噛み合わせを心配する、お母さんやお父さんは多いのではないかと思います。年齢によりできる治療も異なり、歯科医院によって費用も違う。なにより大切な身体のことなので気になって当然だと言えます。

ここでは小児矯正について第1期治療でやめても良いのか、第2期治療に進むべきなのか悩んでいる保護者のみなさまに向けてまとめていきたいと思います。

子ども

1. 小児矯正について

小児矯正とは、主にお子さまの顎の骨の発育を補助することで、のちに生えてくる永久歯のスペースを確保するための治療です。

治療の流れとしては乳歯のある段階で行う第1期治療と、永久歯が生えそろってから行う第2期治療があります。

第1期治療と第2期治療

1-1. 小児矯正(第1期治療)

第1期治療は乳歯と永久歯の生えかわりの時期となる混合歯列期に行います。目安としては、5~13歳ごろです。

この時期は顎の発達が顕著です。そのため第1期治療では顎の発達を促したり、好ましくない方向への成長を抑制したりすることで、のちに生えてくる永久歯のスペースや位置をコントロールすることが可能です。

また第2期治療での期間短縮の可能性、抜歯の回避などといったメリットも期待できます。

1-2. 成人矯正(第2期治療)への移行

永久歯が生えそろったこの時期になると、第2期治療への移行を検討しなければなりません。

第1期治療が顎の発育などをコントロールすることで歯並びを整えることに対して、第2期治療は1つ1つの歯を動かすことで歯並びを整えます。

第1期治療だけで矯正治療が終わることを期待する保護者の方が多いですが、第1期治療は“大雑把な治療”のような側面があります。しっかりとかみ合わせまで考慮した治療結果を求める場合、1つ1つの歯を動かしいく第2期治療が“必ず”必要となります。

第1期治療においては、使用する矯正装置はドクターの治療方針によって決定します。しかし、第2期治療においては、使用するする矯正装置は患者さん(保護者も含む)の希望によって決定します。歯科医師と相談のもとワイヤー矯正(表側または舌側)、マウスピース矯正などを選択することになります。

2. 小児矯正(第1期)でやめる際の注意点

小児矯正(第1期治療)では後に生えてくる永久歯が理想的な位置に生えてくるよう顎の発達を促したりします。

しかし、顎の発達をコントロールしたからといって確実に理想の歯並びと噛み合わせを手に入れられるとは限らないのです。

小児矯正を終えた時点でお子さまの顎の発育が順調にコントロールできたのか、永久歯のスペース確保ができているのかが重要であり、永久歯がキレイに並ぶことを確約するものではないということを知っておいていただきたいと思います。

3. 成人矯正(第2期治療)が必要とされる理由

第1期治療は、第2期治療の準備段階というイメージです。第1期治療で土台となる顎を整えることによって、第2期治療で永久歯をより理想的な位置に動かすことができます。

歯は生えてくるポジションだけではなく、生えてくる方向が重要になります。その方向や細かい角度のコントロールが可能なのが第2期矯正なのです。

例えば下記のようなケースです。

斜めに生えてきた歯や、捻転(捻じれる)した歯

捻転した歯

叢生(歯の重なり)

叢生

上下の噛み合わせを理想の位置に動かす

上下の噛み合わせは複雑です。
歯科医師の診断なしでは噛み合わせの判断は難しいです。

理想の歯の位置

このようなケースは小児矯正(第1期)だけではなく、成人矯正(第2期)を経て歯並びを整えていくことでより見た目以上に機能的にも健康的な状態に持っていくことができます。
また細かい移動や調整ができるのは、成人矯正(第2期)の大きなメリットにもなると言えます。

4. 小児矯正(第1期)から第2期治療へ移行する際の費用

小児矯正(第1期)治療費30~40万円を終え、第2期治療に移行する際は追加で約40~70万円の費用がかかります。40~70万円と費用に幅があります。これは、装置によって費用が変わってくるからです。従来型の表側矯正(約40万)に比べて、歯の裏側に装置をつける舌側矯正(約70万)は技術力が必要になるため高額になります。

参考としては下記の順に費用が変わってきます。

舌側矯正(ワイヤー矯正) > マウスピース矯正 > 表側矯正(ワイヤー矯正)

成人矯正(2期)で追加費用を払うことに躊躇いがある保護者がいます。小児矯正(1期)で矯正治療を終えるということは治療を途中でやめるような意味となりますので、あまりおすすめできません。

中には、大人になってから成人矯正(2期)をすればよいと考える保護者もいます。

  • 小児矯正(1期治療)から成人矯正(2期治療)への期間が空くと、治療を最初からやり直しことになるので治療期間は長くなります。
  • 小児矯正(1期治療)を行い成人になってから成人矯正(2期治療)をする場合、「移行」とはなりません。移行であれば2期治療を約40万で行いますが、成人になってから2期治療をする場合は約80万円の費用が必要となります。

5. まとめ

子ども

小児矯正(第1期治療)と成人矯正(第2期治療)は目的が異なります。小児矯正では畑を耕し、成人矯正では作物を育てるようなイメージです。

良い畑ができても、良い作物が育つと断言できるわけではありません。ですが、良い作物を育てるのに良い畑は必要ですし、良いものを育てるのには適切な管理が必要です。

そういった意味で、小児矯正(第1期治療)のみで治療が終えられるのか、永久歯がキレイに並ぶのかを事前に確約するのは難しい問題です。

小児矯正(第1期治療)を終えて歯科医師と相談のもと、どこまで手をかけるのか、自分の理想に近づけるのかを決める必要があります。(いったん経過観察になる場合もあります。)

まだ幼いお子さんでは、将来のことを見据えて考えるのはまだまだ難しいですから、この判断はお母さんやお父さんたちに委ねられます。

後悔のないようしっかり相談してお子さんのお口の健康、ひいては身体の健康、成長を促せるようにしていきたいですね。

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