前から見ても横から見ても顔が美しい人っていますよね。それはなぜなのか。また、どういったバランスだと美しく見えるのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。とくに横顔は自分で見ることが難しいため、他人から見た自分の横顔が気になったりしませんか?
美しい横顔と口元(歯)の関係性についてご紹介します。
1. eラインとは
eライン(エステティックライン)とは、「横顔における鼻の先と下あごの先を結んだ線」を指す言葉です。
日本人は欧米人と比べると鼻が低いことから、eラインに若干唇が触れるくらいであれば、十分に美しい横顔であると言えそうです。上唇がeラインに載り、下唇がeラインよりも2mm程度内側にある横顔が、日本人の最も理想的な横顔であると考えられています。
※「顔の美しさ」の定義について
1954年にアメリカの歯科矯正医Dr.ロバート・リケッツが「顔の美しさとは輪郭であり、特に側貌(そくぼう)(横顔)の形が重要である」と伝えています。
2. eラインを確認する方法
eラインは自分で確認することができます。まず定規や人差し指を鼻先と顎先に当てます。このとき定規や人差し指に口先が少し触れる、あるいは触れないのであれば理想的なeラインと言えるでしょう。しかしこれは一つの基準にすぎません。
3. eラインができない理由
eラインができない理由はいくつか考えられます。
3-1. 鼻や顎
- 口元に問題はないが鼻や顎(オトガイ)が低い場合。
3-2. 口元
- 前歯の歯並びが乱れている。
- 上下額のいずれか、もしくは両方が前に出ている
- 上下顎のどちらかが後ろに引っ込んでいる
といったことが考えられます。
4. eラインを整える方法
eラインが乱れているということは容貌のみの問題ではなく、歯並びや顎が関係している場合もあり健康問題に関わってくる可能性もあります。
その場合は顎や歯の機能性をしっかり獲得し健康面の向上ができるようにしたいところです。
4-1. 歯列矯正
歯列矯正によりeラインの改善を期待できる場合があります。ですが歯列矯正の目的は歯並びを整えることであり、eラインの獲得のみを目的とはしていません。
4-2. 外科矯正
こちらも歯列矯正と同じでeラインを整えることのみを目的とはしていません。ですが、顎の変形を外科処置にて改善させますので、口元の容貌は大きく変わることに繋がります。
外科矯正とは外科処置と歯列矯正を合わせた治療法です。厚生労働省が定めた特定の症例で、かつ厚生労働省の定める指定自立支援医療機関(育成・更生医療)の条件を満たしている医療機関での治療であれば保険治療として行うことができます。
適応症としては下記の症例などがあります。
- 上顎前突症:上の顎が前に出っ張っている
- 上顎後退症:上の顎が後ろに下がっている
- 下顎前突症:下の顎が前に出っ張っている
- 下顎後退症:下の顎が後ろに下がっている
- 開咬症:前歯でかめない
- 顎骨非対称:左右非対称
4-3. 美容整形外科
歯列矯正や外科矯正以外での処置などです。また、プロテーゼやシリコンで鼻や顎(オトガイ)に高さを出してeラインを整えたい場合などです。
5. 費用
5-1. 歯列矯正
選ぶ装置の種類、既存の歯並びや抜歯の有無などで費用に差が出ますので矯正歯科にて確認をしてください。
参考に矯正装置ごとの目安を上げておきます。
装置 | 費用 |
---|---|
表側矯正 | 80万円前後 |
裏側矯正 | 120万円前後 |
マウスピース矯正 | 100万円前後 |
5-2. 外科矯正
保険適用の場合50万円前後~100万円(入院時の差額ベッド代などにもよります)。
指定自立支援医療機関以外の施術だと10割負担になります。
また、保険適用のため指定の装置や材料が使われるので外科矯正において使われる歯列矯正の装置は表側のワイヤー矯正です。
5-3. 美容整形外科
施術部位、施術方法によります。
6. まとめ
歯列矯正は、eラインを整えることを目的とした治療ではありませんが、歯列矯正を行うことにより噛み合わせや歯並びが整い、結果的にeラインが整うということは十分にあり得ます。
また、上顎前突をはじめとした顎変形症の治療となる外科矯正もeラインを整えることを目的とはしていません。しかし、外科手術を行うことにより顎の位置や形が正常になりますので機能性や健康面の向上とともに、術前よりeラインが整うことが期待できるでしょう。
eラインを細かく整えることが第一目的の場合は美容整形外科にて相談するのが良い場合もあります。
ただ、eラインは一つの基準でしかありません。
美しさの概念は一つではなく複数存在し、美しいと感じるかどうかは人それぞれです。
eラインを物理的に整えるというのはメイクのように気軽に施せるものではありませんので、しっかりと自分の要望を振り返り検討することが必要です。