現在、歯列矯正途中で矯正装置の変更を考えている方、治療途中で装置の変更ができるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。今回は、マウスピース矯正の途中からワイヤー矯正への変更ができるのかについてお話ししていきたいと思います。
1. 歯列矯正の治療途中でも装置の変更はできるのか?
装置の変更はできます。しかし、装置の変更は治療計画の変更、新たな治療の開始となりますので慎重にすすめていく必要があります。また、担当する歯科医師との意見のすり合わせが必要です。
2. 変更希望の理由はなに?
装置の選択について、矯正治療の開始前に診断、シミュレーションを行い、歯科医師と患者さんで総合的な判断のうえで決定されていると思います。
2-1. マウスピース矯正への変更を希望する理由
- 引っ越しで頻繁に通うことができず通院頻度を減らしたい
- 転職で接客業に就いたため装置が目立たない矯正にしたい
- 結婚式などのライフイベントのため
(※ワイヤー矯正でも限定的かつ注意事項を守れば一時的に装置を外すことは可能です。)
2-2. ワイヤー矯正への変更を希望する理由
- マウスピースの装着時間が守れない
- マウスピースの管理が大変
- マウスピース矯正では思ったようにきれいにならない
- 外出時の着脱が苦痛
- 早く治療を終わらせたい
などです。
3. ワイヤー矯正からマウスピース矯正への変更をする際の注意点
ワイヤー矯正からマウスピース矯正に移行する場合、ワイヤーとブラケットを外すだけという単純作業にはなりません。
新しくマウスピース矯正を始めるためにワイヤー矯正の装置を除去したあと、歯型の採取やデータを取ります。その後、マウスピースが海外から到着するのに1か月近くかかります。
その間に歯の移動が起きてしまうと届いたマウスピースが合わないということが起きてしまうので、歯の移動を防ぐために後戻り防止装置を作成し装着します。
変更する際にはこのステップを踏むので時間と通院が必要になります。
4. マウスピース矯正からワイヤー矯正への変更をする際の注意点
マウスピース矯正のためのアタッチメントがついている場合は除去をする必要があります。
また食事の際の着脱がない利便性はあるものの、常に矯正装置がついている状態なので歯磨きの難易度が上がります。
5. 費用について
あらかじめ治療計画として併用が決まっているなどの例外を除いては「新たに治療を開始」するということになりますので、矯正治療の変更を希望する際には費用が追加でかかることに留意しなければなりません。
費用は変更を希望している段階での歯並びの状態にもよりますので、歯科医院で確認する必要があります。
6. まずは担当歯科医師と相談をする
しっかり担当医師と相談をしてください。治療の変更を希望している理由を伝えてみると、治療の変更以外の解決方法が見つかる可能性があります。
また見通しが不透明だと不安になり治療があっていないのかもと考えてしまう可能性があります。心配性な方は特に頭の中を整理するうえでも、考えていることや不安に思っていることを伝えてくださいね。今後の治療の継続においても、とても重要なことです。
7. それでも矯正装置の変更をしたい方
マウスピース矯正とワイヤー矯正は同じ矯正という分野ではありますが、歯科医師によって得意不得意、技術の差があることが考えられます。
もちろん、経験豊富な先生であれば、十分に対応できる可能性もありますし、これらは治療の変更に限ったことではありません。
ここでお伝えしたいことは、ワイヤー矯正にしたから、マウスピース矯正にしたから安心とは一概には言えないということです。
追加の費用やステップを顧みても治療の変更を強く希望する際は、新たな治療を始めるということになりますので慎重に物事を運んでいく必要があるのです。
8. まとめ
ワイヤー矯正からマウスピース矯正、マウスピース矯正からワイヤー矯正への変更は物理的には可能です。
そのためには、追加の費用やステップが必要になる恐れがあります。
また、装置の変更をせずとも済む場合もありますので、少しでも不安なことや思っていることがあれば歯科医師や歯科衛生士に相談してくださいね。